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[東京 14日 ロイター] 内閣府が発表した2010年10─12月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比マイナス0.3%、年率換算マイナス1.1%と、7―9月期の前期比プラス0.8%から低下し、5四半期ぶりのマイナス成長となった。
個人消費の反動減や輸出減などが影響した。ロイターがまとめた民間調査機関の事前予測は前期比マイナス0.5%だった。
会見した与謝野馨経済財政担当相は、マイナス成長は自動車やたばこなどで高まった駆け込み需要の反動という「特殊要因」だとしたうえで、日本は「一見足踏みをしているが、経済は上向いている」との認識を示した。
主な需要項目をみると、エコカー補助金打ち切りやたばこ増税による前期の駆け込み需要の反動で、個人消費が前期比0.7%の減少となり、最大の押し下げ要因となった。マイナスは2四半期ぶり。また外需の寄与度もマイナスとなった。世界的なIT在庫調整やアジア向け輸出の減速感などが影響したとみられ、輸出が前期比0.7%減少したため。輸出の減少は7四半期ぶり。
一方で、設備投資と住宅投資はプラスに寄与した。設備投資は企業収益の回復を背景に緩やかな増勢が続いており、5四半期連続のプラスとなった。住宅投資はエコ住宅への優遇措置など政策後押しの効果もあるとみられる。
この結果、内需寄与度は5四半期ぶりにマイナスとなった。内外需とも寄与度がマイナスとなったのは7四半期ぶり。
名目成長率は前期比マイナス0.6%、デフレーターは前年同期比マイナス1.6%となった。国内需要デフレータは同マイナス1.0%だった。
政府は2010年度の成長率をプラス3.1%と見通しており、達成は1─3月期プラス0.5%の成長で可能となる。
<政府・日銀の認識は「経済上向き」で一致、追加対策の必要なし>
与謝野担当相はGDP発表後の会見で「景気の足踏みを確認する内容だが、自動車販売や生産に底打ち感が出るなど一部に持ち直しに向けた動きも見られる」として、先行きについては「当面は弱さが残ると見られるが、海外経済の改善や各種の政策効果などを背景に、景気が持ち直すことが期待される」と述べた。そのうえで、リスク要因に海外経済と為替動向を挙げ「予算関連法の動向によって、政治の問題解決能力に対する市場の信頼がどうなるかもリスクのひとつとなり得る」との認識を示した。
追加経済対策については「自動車のエコポイントの期限切れ、たばこの値上げなどで駆け込み需要のあったものが(10―12月期には)なくなった。特別な状況での特別な事柄。特にこれに対して対策を取る状況ではない」と述べ、必要性はないとの考えを示した。
日本経済を取り巻く環境は「米経済も失業率などに苦しみながらも、力強さが見えてきた。中国・アジアなどはむしろ過熱ぎみで金利を上げている状況。日本の経済活動の状況は必ずしも悪くない」と指摘。「10―12月のマイナスは特殊要因で起きたこと。日銀も政府も同じ考え方で、一見足踏みしているが、経済は上向いているとの認識だ」とした。
<暦年では3年ぶりプラス成長、日本は中国に抜かれ3位に転落>
2010年暦年の実質成長率はプラス3.9%で、3年ぶりのプラス成長となった。与謝野担当相は「リーマンショック後にG7やG20を通じて政策協調し、財政出動してようやくここまできた。主要国中銀も十分な流動性を供給し、財政面・金融政策面で主要国が最大限の努力を払った結果が今、少しずつ表れている」状況だと指摘。「そうしたものに支えられえた過去なので、将来を手放しで喜べる状況とは考えていない」と先行きに厳しい見方を示した。
内閣府によると、2010年暦年の名目GDPをドル換算して比較すると、日本は5兆4742億ドル、中国が5兆8786億ドルとなり、中国が日本を初めて逆転した。与謝野担当相は「中国経済の躍進は隣国として喜ばしい。東・東南アジアを含めた地域経済が一体的に発展する礎のひとつとなっている。経済関係に関しては、日中のさらなる友好関係を深めていきたい」との考えを示した。
<市場でも1―3月期プラス成長との声>
結果を受けて金融市場からは、「事前予想よりも若干良く、在庫がプラスだったのが意外感があるが、その他の最終需要はほぼ予想どおりとなった。四半期ではマイナス成長だが、月次の経済指標をみると、年末にかけて持ち直しており、1─3月期GDP(国内総生産)はプラス成長に戻るとみている」(ニッセイ基礎研究所・主任研究員、斎藤太郎氏)、「マイナス成長は予想通りで、どちらかというと『過去の数字』だと思う。11月くらいから生産統計が上向いていて、輸出数量も12月に上向いている。政府は1月の月例経済報告で基調判断をすでに上方修正しており、円債市場へのインパクトは限られるのではないか」(日興コーディアル証券・チーフ債券ストラテジスト、野村真司氏)などの見方が聞かれた。
外国為替市場は反応薄だったが、一部では「最近の月次経済データの改善を受け、日銀が景気判断を上方修正する可能性が出てきたことに留意すべき」(野村証券・シニア為替ストラテジスト、池田雄之輔氏)との指摘もあった。「日銀はきょう、明日と金融政策決定会合を開いているが、景気の下ぶれリスクは極めて小さいとの認識の下、景気判断が上方修正されれば、金融市場の追加緩和期待が全面的に後退し、金利高、円高方向に振れる可能性がある」(野村証券・池田氏)という。
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